もともとは、薬の開発がしたいと思っていたのですが、途中から調剤薬局の薬剤師をめざそうと考えが変わりました。きっかけは学生時代のコンビニでのアルバイト。そこで、常連さんには言われる前にいつも買われる商品をお出しするなど、その人にあわせた接客をして喜んでもらうことの楽しさに目覚めたんですね。それで薬局志望に変わったんです。そして数多くの薬局のなかで、いちばん患者さんを大切にしていると感じたアリーナに入社を決意。また、女性でも一生働ける会社だと感じたことも大きな理由のひとつでした。アリーナは、一人ひとりを尊重してくれ、希望に応じた働き方ができる環境だと思います。
私の入社当時の店長は、患者さんへの対応がものすごく上手い方でした。あるときその方が「私はすべての患者さんを、一回は笑わせることを目標にしているんだよ」と話してくれたんですが、ときに冗談を交えながらのあのすばらしい対応の裏には、そういう心がけがあったんだと感動しました。以来私も「患者さんを笑顔にする」ことを目標に。もちろん無理やり笑わせるわけでなく、そういう意識をもって接するということ。やはり患者さんの笑顔を見られた瞬間は嬉しいもので、やりがいを感じる瞬間のひとつですね。
「患者さま第一」と謳う薬局は多いですが、アリーナは「リアルにそうだな」とつくづく実感しています。経営で忙しいはずの社長が、「患者さんをお待たせするぐらいなら僕を呼びなさい」と言ってくださり、実際に連絡すると、すぐに駆けつけて、いち薬剤師としてヘルプに入ってくださるんです。そんなトップの背中を見ているので、スタッフ全員に、自然と「患者さんを大切にする」精神が浸透しているんだと思います。
薬剤師は「伝える力」がとても大切。たとえば患者さんに薬の特徴や飲み方を説明する際、最初のころは、自分のなかにひとつの言葉しか持っておらず、「この薬の説明はこう」となりがちです。でも、同じ言葉で説明しても人によって捉え方が違いますので、一人ひとりにあわせて伝え方を工夫することが大切なんですね。伝える力は、スタッフの指導をする際にも大事。スタッフも一人ひとり個性がありますので、それぞれにあわせた指導ができるよう、私も試行錯誤を繰り返しながら伝える力を磨いています。